子どもたちのために! 6
今北さんは、そのころから、人間のつながり、人の心のありがたさをつくづく感じるようになったという。
人が困っていたり、つらい思いをしたりしているとき、黙っていられなくてかけずりまわり、助けようとしてくれた人たちは、けっして学歴が高い人でも金持ちでもなかった。
むしろ、弱い人間、社会的には低くみられている人間であった――と。
そのころを振り返って、今北さんは目を潤ませる。
去年の冬、ぼくは仙台の今北さんの塾を訪ねた。
スタッフは今北さん一人だが(奥さんがときどきピンチヒッターに出るとのこと)、十数人の高校生がアシスタントとして教室にいた。
どの高校生もういういしく、いい顔をしている。
塾生たちも、今北さんや高校生たちといることが、なんとはなしに楽しそうで、どの顔もほころんでいた。
あとでわかったことだが、それもそのはず、そこにいた高校生の何人かは、例のDクラスのもと生徒たちであった。
さぞかし、雰囲気のいい塾なんでしょうね。卒業生がアシスタントをやっている塾というのはよくあるらしいですが。