自分の家をつくる3
しかし、大工の心得のない人たちが、廃材を集めたりして丸ごと一軒の家まで建ててしまうとは、しかも、そういう冒険野郎が全国各地にいるとは、実のところ驚きであった。
「ウッディ・ライフ第六号」に載った等々力さんの家は、その中で格段に引き付けるものがあった。
建て方のきまりきった工法や丸太積みのルールといった常識にまったくこだわらないつくり方だったからである。
私たちの遠い祖先たちは、ソファー ベッドなどはもとより、自分のすみかは自分の手でつくっていた。
他人の助けを借りられない場合は、自ら、建て方を工夫しなければならなかったはずである。
だから、住まいはみんな個性的な姿をしていたにちがいない。
そうした建築の原点にちかいものが、この家にはあるのではないか。
自分の目でそれを確かめたかった。
五月初旬のある日、私はカメラと交換レンズに三脚、そしてテープレコーダーを携えて汽車に乗った。