鉄と産業
R・J・フォーブスは『技術の歴史』(1950年)で、産業革命の中心を蒸気機関と冶金の進歩に置いている。
この二つは大量の燃料を必要とする。
したがって木炭では限界があるので、石炭が使われるようになる。
蒸気機関と鉄と石炭は、19世紀には互いに密接な関係があった。
蒸気機関は、燃料としての石炭と機械をつくる鉄を必要とする。
石炭は掘るために蒸気機関を、運ぶために鉄道を必要とする。
そして鉄をつくるには、石炭が必要なのである。
この三者の関係が確蹉してくるのは19世紀においてである。
まず18世紀に蒸気機関が発達してくる。
それはすぐに鉱山に使われるようになる。
それまでの鉱山では、水が湧くために深いところを掘ることができなかった。
蒸気機関によるポンプで水を汲みだすことができるようになったので、地下深く採炭できるようになり、石炭の生産は飛躍的に増大した。
当時の鉄は粘りのロートアイアンではなく、もろい鉄だった。